テレビ朝日は12日、特別番組「旧ジャニーズ問題検証」(午前10時)を放送した。旧ジャニーズ事務所に対し、「忖度(そんたく)があった」とする一部の局員の声を伝えた。
旧ジャニーズ事務所の創業者ジャニー喜多川氏(19年死去)の性加害問題を受けた検証番組で、進行は同局大下容子、小木逸平両アナウンサーが務めた。番組冒頭では制作にあたり、103人の同局OB、局員にヒアリングを行い、実態を調査したことを報告した。
編成、制作部門が旧ジャニーズ事務所との関係をどう捉えていたかについて、現場で働く局員を中心に行った聞き取りの結果を伝えた。
まず「ジャニー氏の性加害問題を知っていたか」について、「ジャニー氏は男の子が好きという話をうわさレベルで聞いていた」(バラエティー番組プロデューサー)「そういうことをするとデビューできるといううわさだが、デビュー組と話をすると『お世話になった』とか面白い話をするので、事実とは思っていなかった」(バラエティー番組プロデューサー)などと、うわさ程度で聞いたことはあるものの、直接見た人や確かめた人はいないとした。
また「旧ジャニーズ事務所に忖度があったか? 同事務所からの圧力があったか」については「事務所から『誰々を使ってください』と言われたことはない」(バラエティー番組プロデューサー)「単純に視聴率のためにキャスティングしていた。圧力は感じたことはない」(バラエティー番組プロデューサー)と話す局員がいる一方、「他の事務所の男性アイドルグループなどを出そうとすると、ジャニーズ事務所が気にするだろうなと忖度した」(バラエティー番組プロデューサー)「ジャニーズの圧というより、テレビ朝日内で忖度していたという理解。大物をキャスティングする布石のために、当時は知名度のない所属タレントでドラマを作るとか」(ドラマ制作プロデューサー)などと忖度を認める回答もあったという。
結果として、7人の局員から「忖度があった」とする回答が得られたという。奥川晃弘コンテンツ編成局長は、他局と比べてジャニーズタレントの出演が少なかったことを背景に「旧ジャニーズ事務所のキャスティングは、会社の戦略として上層部や編成幹部が動くことが多くなっていきました」と説明。「忖度なのか配慮なのか、通常の商慣習なのか評価は分かれると思いますが、確かなのは、テレビ朝日の社内においては『旧ジャニーズ事務所は神経を使う事務所だ』という雰囲気が醸成されたということ。それが一部の局員が『忖度があった』と言う理由の1つだと思います」と話した。
西新常務取締役は「『忖度や圧力を感じたことはない』と回答した者が多数」としたが、ジャニーズタレントのキャスティングは制作・編成幹部が直接出演交渉に動く「会社マター」だったことから「忖度という空気が徐々に醸成されたものと思う。エンターテインメントの空気が報道局にも影響を与えたならば、それは猛省すべきこと」。今後については「これまでの反省を踏まえ、お互いに公正かつ透明性を持ったビジネス関係を構築できれば」と述べた。



