ビートたけし(77)が認めるお笑い若手No.1を決める「江戸まちたいとう芸楽祭 第6回ビートたけし杯 お笑い日本一」が9日、東京・浅草の東洋館で行われた。8組が争い、昨年暮れのM-1で準優勝のヤーレンズが優勝し、賞金30万円を獲得した。放送作家高田文夫氏(75)、お笑いコンビのナイツも審査に加わった。

たけしは賞状を読み上げて、最後に自分の名前の代わりに休業中の「松本人志」とボケて笑わせた。そして「今は、女がどうのこうのうるさいんだよ」とぼやいた。

ヤーレンズのボケの楢原真樹(37)は「とにかくうれしいですね。去年、M-1で悔しい思いをしたので、たけし杯だけは取ろうと思っていました」。ツッコミの出井隼之介(36)は「念願がかないました」と笑顔を見せた。

たけしは、他の出場者とヤーレンズの違いについて「他は決められたネタをウケるウケないにかかわらず、連発して間を取っていない。一番感じたのは余裕の差」と評した。

そして「ここで優勝しても、たいして売れない。M-1でいいところまで行ったんだろうけど、あそこは優勝しても金にならない。俺の弟子なんかも、いつも3回戦くらいで負ける。吉本のマネジャーと放送作家が審査員やってるんだからな」と毒を吐いた。

それでも「芸人はライブで爆笑を取れば、必ずチャンスはある。貪欲にYouTubeとかもやって、私にお布施をください」と笑わせた。

現在のお笑い界の状況については「今は決まった時間以内にネタをやって優勝を決めるからかわいそう。おれらの時代は5分ネタでもドッカンドッカン、ウケたら10分でも続けてやった。今の漫才師は腕がいいけど、飛び抜けたのがいない。技術じゃなく、くだらなくても決定的な笑いで大笑いさせてくれないとスターになれない」と話した。

ヤーレンズについて高田氏は「去年、M-1で2着になったけど、無駄に手数が多いのが魅力だった。どれだけボケを入れられるか、とっても楽しみ」。

ナイツ土屋伸之(45)は「実際に一番笑いを取っていた。納得です」。昨年のM-1でも審査員を務めた塙宣之(45)は「去年のM-1の優勝決定戦で(優勝の)令和ロマンに入れたけど、今年も(ヤーレンズは)いくんじゃないかと思う」と話した。

たけしは、ラウンドガールネタをやったお笑いコンビ、ルミ子にも言及。コントでラウンドガールに扮(ふん)した、ながたけんさく(31)について「酔っぱらったら、やれそう(笑い)。松本人志に対抗とか書かれちゃうか」と毒を吐いた。そして「関西弁の威力が強くて、我々の時代から押されている。関東芸人は粋で勝つというように頑張ってください」と話した。

今の漫才師へのアドバイスを求められたたけしは「漫才っていうのは嫌いなやつには嫌いって言うけど、評論家じゃないから言わない。漫才やってないやつが言うけど、舞台に出てみろ。野球とか料理の評論家はやってるけどね。やってないのは認めていない、芸能記者とか。一生懸命、新しい形を探していけば、ドカンドカン来るようになる」。

高田氏が「結局、お笑いは好きか嫌いか。技術じゃない」と言うと、たけしは「コメディーNo.1の漫才なんて『アホの坂田』で、すごく売れたからね」と、昨年12月に82歳で亡くなった坂田利夫さんを追悼。「お笑いは、やすきよ(横山やすし・西川きよし)、その前にもエンタツ、アチャコ(横山エンタツ・花菱アチャコ)があって、ずっと進化している。でも波があって今は底辺。お笑いでテレビのチャンネルを合わせたり、小屋に押しかける時代じゃない。だけど、耐えて頑張ってほしい」と話した。

そして「お笑い芸人に人権は要らない。差別じゃないけど、投票権も要らない。税金は払うけどね。その代わり、舞台で好き勝手なことをやって、酒飲んで酔っぱらわせてほしい。まあ、戦争の時は逃げるけどね」と笑った。

大会冒頭にはサプライズで、ツービートの相方ビートきよし(74)も登場。東洋劇場で修業したたけしは「久々に2人で、ここに立つとあがるな。アマレス兄弟を優勝させてキックバックをもらおうと思ったけど、予選で落ちちゃった。吉本なら優勝なんだけどな」とボケた。

他にキャメル、ジグザグジギー、センチネル、ちゃんぴおんず、ぴろしき、マイアミバスケットボールクラブが出場した。