フジテレビは28日、公式サイトを通じ、元タレント中居正広氏(53)による元同社社員への性暴力をめぐる一連の問題に関連して、同社元取締役で前社長の港浩一氏、元専務の大多亮氏に対し、50億円の損害賠償を連帯して支払うよう求める訴訟を起こしたと発表した。
港氏は社長を務めていた1月に、中居氏をめぐる対応について会見。初回となった17日の会見では、出席を一部メディアに限定したことなどで批判が殺到した。同27日にはメディアを制限せず約10時間にわたる会見を行い、その中で社長辞任を発表した。当時フジ専務だった大多氏も関西テレビ(大阪市)社長を4月に辞任した。
声明で「フジテレビは、2023年6月にフジテレビの番組出演タレントとフジテレビ元従業員との間で生じた事案に関する一連のフジテレビの元取締役の対応等に関して、当社と利害関係のない立場にある外部の独立した法律事務所に、法的責任の有無について法的分析業務を委任し、調査・検討してまいりました」と報告。その上で「今般、当該分析結果を基に、フジテレビの港浩一元代表取締役社長、および大多亮元専務取締役に対して、損害賠償請求訴訟を提起」したと説明した。
「50億円」の金額の根拠については「2025年6月30日までにフジテレビが被った損害額453億3503万6707円の一部として、被告らに連帯して支払いを求めるもの」と説明。そして「今後損害額が拡大した場合やその他の状況に応じて、請求金額を増額する可能性」があるとした。
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以下、発表全文
2025年8月28日
各位
株式会社フジテレビジョン 当社元取締役に対する損害賠償請求訴訟の提起に関するお知らせ
当社(以下「フジテレビ」)は、2023年6月にフジテレビの番組出演タレントとフジテレビ元従業員との間で生じた事案に関する一連のフジテレビの元取締役の対応等に関して、当社と利害関係のない立場にある外部の独立した法律事務所に、法的責任の有無について法的分析業務を委任し、調査・検討してまいりました。今般、当該分析結果を基に、フジテレビの港浩一元代表取締役社長、および大多亮元専務取締役に対して、損害賠償請求訴訟(以下「本訴訟」)を提起しましたので、お知らせいたします。
なお、本訴訟の提起については会社法の規定により監査役がフジテレビを代表することになります。
記
1.本訴訟を提起した裁判所および年月日
東京地方裁判所2025年8月28日
2.本訴訟を提起した者(原告)
(1)名称:株式会社フジテレビジョン
(2)所在地:東京都港区台場二丁目4番8号
(3)訴訟における代表者:常勤監査役柳沢恵子
3.本訴訟を提起した相手方(被告)
(1)フジテレビ元代表取締役社長港浩一
(2)フジテレビ元専務取締役大多亮
4.請求(損害賠償)金額
50億円
(注1)上記金額は、2025年6月30日までにフジテレビが被った損害額453億3503万6707円の一部
として、被告らに連帯して支払いを求めるものです。
(注2)今後損害額が拡大した場合やその他の状況に応じて、請求金額を増額する可能性がありま
す。
(注3)上記金額に対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで年3分の割合による遅延損害金も併せて請求しております。
5.本訴訟に至った経緯および本訴訟の概要
被告である港浩一元代表取締役社長と、大多亮元専務取締役は、2023年6月にフジテレビの番組出演タレントとフジテレビ元従業員との間で生じた事案について、フジテレビの従業員から報告を受けているところ、報告を受けた事案が重大な人権侵害の可能性のある事案であり、フジテレビ元従業員に対して適切な配慮をするとともに、会社の経営に生じ得る重大な影響又は著しい損害の発生を予防、回避又は低減させるため、(1)報告を受けた事案について事実関係の調査を行い、(2)調査した事実関係を踏まえ、専門的な助言を収集した上で、原因を分析して適切な対策を検討・実行し、(3)フジテレビの内規であるコンプライアンス及びリスクの管理等に関する規程にしたがってコンプライアンス等担当役員に指示して対策チームを設置するといった善管注意義務を負っていたにもかかわらず、これらを怠りました。その結果、フジテレビに損害を与えたとして、会社法423条1項に基づき、被告らの任務懈怠によりフジテレビが被った損害の一部について、損害賠償請求をするものです。
6.今後の見通し
本訴訟につきましては、当社の業績に与える影響を含め、今後の進捗に応じて開示すべき事項が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。
本事案に関しましては、視聴者・ユーザーの皆様、広告主、広告会社をはじめお取引先の皆様、株主の皆様、その他すべてのステークホルダーの皆様に多大なご心配をおかけしております。
当社がコンプライアンス強化に真摯に取り組む姿勢を明確に示すとともに、人権とコンプライアンスを最重要とする企業風土を確かなものにしていくためには、今回の事案に係るフジテレビ元取締役の責任を追及することが不可欠であると判断しております。当社は本訴訟を含めた一連の取り
組みを通じて、公共性をもって社会に貢献できる企業グループであることを目指し、着実に改革を実行してまいります。
以上



