現地時間15日に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われた第98回アカデミー賞授賞式で、ロシアの学校で進む国家プロパガンダを内部から記録したドキュメンタリー映画「名もなき反逆者 ロシア 愛国教育の現場で(原題:Mr. Nobody against Putin)」が長編ドキュメンタリー映画賞に輝いた。
昨年1月に米ユタ州で開催されたサンダンス映画祭で初お披露目され、ワールド・シネマ・ドキュメンタリー審査員特別賞を受賞。先月行われた英国アカデミー賞でもドキュメンタリー部門を受賞している。
本作はロシアの小さな町の学校で小学校教師兼活動指導員として働いていたパヴェル・タランキン氏が、生徒たちにロシアによるウクライナ侵攻を支持するよう洗脳する実態を記録した作品で、2022年の侵攻開始から4年がたつ中で有力候補作品を押さえての受賞となった。
欧州に亡命中のタランキン氏は、米国人の共同監督と共に授賞式に出席し、「(この作品は)いかにして国を失うかについてのもの。無数の小さな共謀行為によって国を失うのです」とスピーチ。「政府が街頭で人々を殺害し、(ロシアの新興財閥)オリガルヒがメディアを支配するなか、何も言わなければ国が滅びる」「私たちはみな、道徳的な選択を迫られている」と述べて会場から大きな歓声が上がった。
最後は「流れ星の代わりに、爆弾やドローンが飛び交う」国々を代表して「私たちの未来のために、すべての子どもたちのために、いますぐこれらの戦争を止めて下さい」と訴えた。
アカデミー賞ドキュメンタリー部門では、開戦以来ウクライナ戦争を題材にした作品が注目を集めており、2024年には最大の激戦地マリウポリを舞台にした「マリウポリの20日間」が受賞している。(千歳香奈子通信員)



