俳優伊藤隆大(たかひろ)さん(21)が8日午後、神奈川県相模原市の相模湖近くの駐車場に止めてあった乗用車内で死亡していたことが9日、分かった。津久井署によると、車内に練炭と家族や友人にあてた遺書があり、同署では自殺とみている。死因は急性一酸化炭素中毒だった。

 伊藤さんはドラマ「のだめカンタービレ」(06年)や遺作となった映画「容疑者Xの献身」(08年)などに出演。先月22日付のブログには、高校時代のクラス会の楽しい様子がアップされているが、これを最後に更新されていない。

 伊藤さんの兄は俳優伊藤淳史で、8日夜に遺体と対面したという。ショックを受け、この日夕方に予定されていた出演映画「フィッシュストーリー」の会見をキャンセル。だが、夜に行われた同映画のライブイベントに、バンドメンバーの1人として登場。「個人的なことでご心配かけてすいません。この歌を天国の人にも聞いてもらえれば」と、涙を流しながら歌った。

 また、淳史は報道各社にファクスで「隆大は常にいいところを見せようと頑張りすぎるところがあった。彼なりの優しさが、最後にこういう不幸な形を作ってしまいました」とコメント。4月スタートのTBS系連続ドラマ「漂流ネットカフェ」の兄弟共演が決まり、収録が始まる直前だった。

 [2009年3月10日10時18分

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