<大阪杯>

武豊騎手はスタートが決まると、ゆっくりジャックドールを先頭へ導いた。スタンド前には急勾配の上り坂がある。ここで勢いをつけると後半に響く。だから外からノースザワールドが並びかけてきても慌てなかった。コーナーの内外でリードを取り、2ハロン目のラップは10秒9。昨年より0秒6遅く入った。

1コーナーを先頭で回るジャックドール(右)
1コーナーを先頭で回るジャックドール(右)

余裕を持たせて1コーナーを回った分、少し気負っても「(馬が)理解してくれた」と鞍上が言うように折り合いはついた。その後の2ハロンも12秒2-12秒0と落ち着き、後半へのエネルギーを残せたのは大きい。あとはスパートのタイミングだけ。後ろにはスターズオンアース、ジェラルディーナなど瞬発力のある馬が控える。

あまりペースを落としすぎても、決め手のある馬の餌食になる。後続の脚を封じるため、武豊騎手は残り1200メートルから(12秒0→)11秒4にペースアップ。前ラップからは実に0秒6も上げた。動くには少し早いが、ジャックドールのペースである「速めの平均」で、押し切りにかかった。

先頭で4コーナーを回るジャックドール(左)。右から5頭目は2着スターズオンアース
先頭で4コーナーを回るジャックドール(左)。右から5頭目は2着スターズオンアース

また、この馬がペースを上げることで、後続も早めに脚を使わざるを得ない。そうなれば思うツボ。スピードの持続力でライバルのスタミナを奪っていく。向正面から5ハロン連続で11秒台のラップを刻み、ラストは12秒5まで落ちたが、ぎりぎりスターズオンアースを退けることができた。緩急の使い分け、そして馬に合わせたスパートのタイミング。さすがは武豊という騎乗だった。

逃げ切って大阪杯を制したジャックドール(左)(撮影・白石智彦)
逃げ切って大阪杯を制したジャックドール(左)(撮影・白石智彦)