アローセプテンバーとマキバスナイパー。今月1日付で調教師に転身した左海誠二騎手の騎乗馬で思い出すのはこの2頭というファンも少なくないだろう。前者とのコンビでは初重賞制覇のゴールドCなど重賞7勝を挙げ、後者とは2度の浦和記念制覇など重賞10勝を挙げた。2頭は左海騎手が所属していた北川厩舎からデビューした95年生まれの同期。昨年9月、アローセプテンバー・メモリアルを制した同騎手に当時の話を聞く機会があった。

「2時からバンバン攻め馬していた時だからね。アローとスナイパーと同時期に攻め馬していたから」。アローセプテンバーは97年12月、マキバスナイパーは98年1月にデビュー。22歳の左海騎手は2頭の調教にも騎乗していた。「アローは能力(試験)前からずばぬけていた。スナイパーはまだ全然だったけど、途中から。アローは馬場の入りはいいけど、帰りがうるさくてね。だからゆっくり歩かせて帰ってくることができなかったね。スナイパーはのんびり帰れた」。2頭の性格の違いを懐かしんでいた。「ものが違ったね。能力は相当。じゃなきゃ、あれだけ重賞を勝たないよね」。やはりこの2頭は別格だった。【牛山基康】