ボクシング元IBF世界スーパーバンタム級王者小国以載(30=角海老宝石)が26日、都内のジムで現役復帰すると発表した。昨年9月に岩佐亮佑(28=セレス)に6回TKO負けで初防衛に失敗し、試合後に引退を表明していた。12月1日に東京・後楽園ホールで復帰戦に臨み、再び世界戦戦復帰、王座奪回を目指していく。

小国はVADYジム時代の13年にも、東洋太平洋同級王座を陥落し、引退表明していた。2度目の引退撤回に「2度もうそついたので」と、約7000円で準備したピノキオ姿で登場した。まずは得意の仮装パフォーマンスも復活で口火を切った。

司会役になったジムメイト岡田が、14日に米国デビューして判定勝ちした。小国は専属マネジャーを自称して同行したが「10回にダウンして、これは金にならないなと思い、復帰することにした」とジョーク交じりに復帰理由を説明した。

本当の理由は右手首のケガの完治だった。6年前に練習で痛めて以来、注射を打ちながら、だましだましの練習と試合だったと打ち明けた。11月の検診で医師に手術で完治すると言われ、今年1月に手術を受けた。痛みが消え、7月に復帰を決断し、練習を始めた。

小国は岩佐らのサウスポーが大の苦手だった。「飲みに行くと必ず言われる。右が使える状態でいつか左とやりたい」。万全の状態で苦手克服証明も目標にする。敗れている和気や岩佐に、いつかリベンジしたい思いも強い。

さらに4月に綾香夫人(25)と結婚し、8月には長男崇昌君も生まれた。「ミルク代も稼がないといけないので」。ただし、「物心つくころにはやめたい。ピノキオの格好しているおやじなんかいると、いじめられるから」と笑わせた。

スパーリングは10月から始める。「まだ不安しかない。右を打ち込めるか。怖い」と話す。それでもやるからには再び世界が目標。同級は4団体すべて外国人が王者。「来年には勝負したい。日本人の誰かがベルトを日本取り戻し、日本人対決で盛り上げていきたい」と話した。