落語家6代桂文枝(78)が7日、大阪市内で会見を行い、1971年1月の放送開始から半世紀にわたって司会を務めてきたテレビ朝日系の長寿番組「新婚さんいらっしゃい!」(日曜午後0時55分)を3月27日の放送で勇退すると発表した。

同番組を制作する朝日放送テレビで会見した文枝は「昨年7月16日に78歳になり、若いカップルの話を聞くのは無理があるかなと。そろそろ潮時かなと思った」と語り、自ら番組卒業を申し出たと明らかにした。

番組は新婚カップルを呼んで話を聞き、文枝と山瀬まみが「(出会いの)きっかけは?」など“定跡”の質問から始まり、新婚さんの「そんなアホな!」の仰天話を聞いた文枝が、ツッコミを入れる代わりにイスごと転がる芸が名物。文枝の片手を上げる「いらっしゃーい」のポーズは日曜日のお昼のお茶の間に浸透した。

20年1月には区切りの放送開始50年目を迎えた。これまで登場した新婚さんは4500組以上で、1月9日には放送回数が2645回となる。新婚夫婦は時代を映し続けてきた。70年代は「婚前交渉」、80年代の「できちゃった結婚」。最近では「マッチングアプリで知り合った夫婦も多くなり、ちょっと…」。時代の変化に戸惑うこともあったという。

半世紀以上続けてきた誇りもある。15年には「同一司会者によるテレビトーク番組の最長放送」としてギネス世界記録に認定された。世界記録は途切れることになるが「(認定は)うれしかった」。

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これまで1万回以上、コケてきた文枝は「最近、身体を気づかい、コケる回数を控えていた」と悔しそうに打ち明け、「僕の代名詞となった番組。ここまで続けられて感謝しかない」と涙を見せた。後任の司会者などは未定だが、番組は今後も継続するという。【松浦隆司】