浦和レッズの元日本代表MF阿部勇樹(39)が、J1開幕戦では自身初となるゴールを記録した。後半29分の先制点はJ1通算73得点目。

39歳5カ月21日でのゴールは、開幕戦に限ると、93年の鹿島MFジーコの40歳2カ月13日に次ぐ歴代2位の年長得点記録。18年の開幕戦でG大阪MF遠藤保仁がマークした38歳27日の日本人の開幕戦最年長ゴール記録を塗り替えた。

J1通算578試合の出場は歴代4位で、98年の初出場からピッチに立ったシーズン数は通算23年目。こちらはGK楢崎正剛、GK曽ケ端準、MF遠藤保仁の実働22年を上回る新記録となった。

市原(現千葉)時代の98年に当時のJ1最年少出場記録となる16歳10カ月30日でデビュー。だが、その後は負傷続きで、「ガラスのエース」とも呼ばれた。01年のワールドユース(現U-20W杯)を右すね疲労骨折で欠場するなど世代別代表の世界大会にも縁遠かった。

しかし、オシム監督が市原の監督に就任した03年頃からは徐々にJ1の欠場試合も減少。代表でも04年のアテネ五輪に出場し、10年のW杯南アフリカ大会では中盤の底のアンカーとして日本の16強進出に大きく貢献した。

クラブと代表を掛け持ちするハード日程でも、常にピッチに立ち続ける「鉄人」へと変貌を遂げ、13年からはJ1リーグ戦でフィールド選手最長となる139試合連続フルタイム出場を果たした(現在の1位はDF中沢佑二で178試合連続)。

今季も開幕戦で先発し、いきなりゴールを記録。チームはその後、同点に追い付かれて引き分けたが、元日本代表MFは健在ぶりを示した。【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)

浦和対東京 後半、先制ゴールを決め雄たけびを上げて喜ぶ浦和MF阿部(左)はイレブンに祝福される(撮影・浅見桂子)
浦和対東京 後半、先制ゴールを決め雄たけびを上げて喜ぶ浦和MF阿部(左)はイレブンに祝福される(撮影・浅見桂子)