20年ぶり招待出場の日本(FIFAランキング26位)が、MF三好康児(22=横浜F・マリノス)の衝撃2発で同8位のウルグアイと2-2で引き分け、勝ち点1をもぎ取った。

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少ないチャンスをものにして、よく守って、勝ち点1をもぎ取ったのはよかった。相手シュートがゴール枠にはじかれるなどツキもあったが、結果は結果だ。三好の先制点は自分で勝負にいったのが素晴らしかったし、2点目は形としてもきれいだった。だが、1次リーグ突破に向けて、厳しい立場は変わらない。他の試合の結果にもよるが、次のエクアドル戦は勝ち点3を求めると同時に、得失点差も意識しないとならない戦いになるだろう。

終盤に投入された久保はチームが防戦一方の中で、なかなかボールに触れられなかった。次戦は先発すると思われ、勝たねばならない試合で真価が問われる。三好が2得点と結果を出しているだけに、分岐点になる可能性がある。また、2戦連続で出場している選手は消耗も激しいはずで、次戦はどんな先発布陣で臨むのか、悩ましい。

ウルグアイ相手に「引き分けられてよかった」というムードもあるかもしれない。これが「引き分けで悔しかった」という時代になってほしいと、僕は思う。この日の試合の内容ではウルグアイの選手は悔しいはずだ。でも、1次リーグ突破に向けては日本より明らかに優位である。むしろ2度もリードしながら追いつかれた日本の方が、悔しがった方がいいんじゃないかな?

今大会に出場する目的が「成長するため」と言うなら、なんだか留学気分、アマチュアみたいだ。プロならお金をもらって出場している意識を持ち、勝利ボーナスを求めて戦うもの。スアレスやカバニは日本にしつこく守られても、最後はシュートで終わっていたよね。さすがだ。日本は格下相手に守られると、攻めあぐねてしまいがち。学ぶべきものはたくさんあったと思う。(日刊スポーツ評論家)