ジュビロ磐田がアウェー・ガンバ大阪戦を1-1で引き分けた。0-0の前半15分にFWルキアン(27)が2度目の警告を受けて退場すると、同44分には先制を許した。だが、後半ロスタイムに途中出場のFW中山仁斗(27)がPKを決めて同点。数的不利の中、粘り強い守備を続け、貴重な勝ち点1を得た。今月15日から磐田を暫定的に指揮する小林稔監督(43)は、就任初のリーグ戦で、連敗を3で止めた。

4戦ぶりの勝利を狙った磐田に、いきなり暗雲が垂れこめた。前半15分、FWルキアンがこの日2枚目の警告を受けて退場。退任した鈴木秀人監督(44)に代わって暫定的に指揮を執る小林監督は「一戦必勝の状況は変わらない。アウェーでも、全員で勝利を目指していきたい」と臨んだ一戦だったが、試合開始早々に攻撃の起点を失った。

小林監督は、前節ホーム湘南ベルマーレ戦から先発4人を変更。システムも3バックから4バックに変えた。移籍後初先発となったDFファビオ(30)は、センターバックの一角で出場。「運命」と古巣戦での磐田デビューに燃えていた新助っ人を中心に、G大阪の攻撃をはね返し続けた。しかし、同44分だった。相手のクロスが直接ゴールに転がり、先制点を献上。数的不利の状況が、徐々に重くのしかかり始めた。

小林監督は「全員がハードワークをしてやり切ること。攻撃時には背後の意識を持つこと」と指示を送り、選手を後半のピッチに送り出した。押し込まれながらも追加点だけは阻止すると、終了間際に決定機が訪れた。後半ロスタイムに、途中出場のFW中山がPKを獲得。これを自らゴール左へ決めて、同点とした。

土壇場の同点劇で、7月20日のホーム浦和レッズ戦から続いていた連敗を「3」で止めた。自動的にJ1残留が決まる15位ヴィッセル神戸との勝ち点差は「8」に広がったが、数的不利をはねのけ、アウェーで貴重な勝ち点1を獲得。粘りが奇跡を呼んだ。【前田和哉】