陸上男子100メートル日本記録保持者の山縣亮太(31=セイコー)が今夏のパリオリンピック(五輪)への挑戦を断念する意向を示した。

16日、オンライン会見を開き、右脚に原因不明の違和感があるため、五輪選考を兼ねた6月の日本選手権(27~30日、新潟)への出場を回避すると説明。4大会連続の五輪出場の可能性が消滅し「力不足。今は喪失感も大きい」と苦渋の表情を浮かべた。

五輪では16年リオ大会の400メートルリレーで銀メダルを獲得。21年東京大会後に右膝を手術し、昨季から競技会へ復帰した。パリへは体の使い方から見直し、手応えもあったが、3月から「座骨神経痛のようなしびれ」に悩まされた。症状の原因を特定できず、治療法も模索中。4月29日の織田記念で10秒58にとどまり、その数日後に決断した。

6月に32歳となるスプリンターは、引退せずに再起を図る。28年ロサンゼルス五輪は「先のことを考えるのが難しい。目指す気はない」としたが、来年9月に東京で開催される世界選手権へは「25年に全てを出し切って終わりたい」と意欲を示した。ブレずに目標に掲げるのは、自身の日本記録(9秒95)更新。「自分を超えていかないといけない」。自らに言い聞かせるように誓った。【藤塚大輔】