【プラハ=藤塚大輔】今大会限りで現役を引退する坂本花織(25=シスメックス)が、2年ぶり4度目の優勝で有終の美を飾った。千葉百音(もね、20=木下グループ)は自己新の合計228・47点で銀メダル。中井亜美(17=TOKIOインカラミ)は合計200・00点で9位だった。

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笑って、泣いて、また笑った。千葉が、ミラノ五輪4位の悔しさを糧に銀メダルをつかんだ。「自分を信じて頑張り続けたかいがあった。笑顔でシーズンを締めくくれた」。現行の採点制度となった06年トリノ以降、女子では最少の1・28点差で表彰台を逃した五輪。そのわずかな差を埋めるべく、積み重ねた1カ月だった。今大会は課題だったジャンプの回転不足はゼロ。SP、フリー、合計全てで自己ベストを更新し「挫折をバネに出し切れた」と、うれし涙を流した。

坂本とともに07年大会の安藤、浅田以来19年ぶりとなる日本女子ワンツーフィニッシュ。表彰台ではすがすがしい気持ちで君が代を聴いた。不意に隣を見ると号泣する坂本の姿があった。この日を最後に現役を退く先輩は「1つの要素を極限まで上質なものに磨くところが一番すごい」と敬意を抱き続けた存在。「やりきった気持ちと寂しい気持ちが入り交じって、うるっと来たり引っ込んだり」と特別な瞬間を心に刻んだ。

来季はジュニア無敗の島田麻央がシニアデビューを迎えるなど勢力図は大きく変わる。「日本のトップ層はすごく厚い。かおちゃん(坂本)を継承する1番手はたくさんいるんですけど」としつつ「自分もその1人として名を連ねることに恥じぬ実力をつけたい」と誓った。あふれ出た感情全てを、成長の養分にする。