米国の初出場マキシム・ナウモフ(24)が、天の両親にささげるSPを演じた。
2番滑走で登場すると、4回転サルコー、トリプルアクセル(3回転半)、ルッツ-トーループの連続3回転を着氷。スピン、ステップシークエンスでも全て最高難度のレベル4を獲得した。フィニッシュポーズをとくと、天を仰いで涙を流した。
昨年1月の小型旅客機と陸軍ヘリコプターの衝突事故で両親を失った。悲しみに暮れながらも立ち直り、全米選手権で3位に入り。初代表の座を射止めていた。「人生のどこかで誰もが非常に困難な時期を経験すると思う。ただ私の経験が誰かの力になったり、前進する勇気を与えることができればと願っています。乗り越える以外に道はない」との思いで臨んだ。
得点を待つ「キス・アンド・クライ」では、両親に囲まれた幼い頃の写真を両手で持ち、祈るような面持ちを見せた。「両親が私を導いているのを感じる。1つの要素から次の要素へと、チェスの上の駒のように。今まで感じたどのような感覚とも違った」。得点は今季の自己ベスト85・55点。安堵(あんど)の表情を浮かべ、写真にキスをして喜んだ。
演技後は「今までに経験したことがない感覚だった。この大会は本当に特別。普段は少し緊張して、少しミスをする。今回はそれが全くなかった。19年間磨き続けてきたものを2分50秒で表現できた」と感慨深げ。「本当に支えてくれた全ての人に感謝を伝えたい。まるで背中を押してくれる手があるようで、前へ進む力をもらいました」と支えに感謝した。
この光景はX(旧ツイッター)でも話題に。「きっと天国で喜んでるね…」「いい演技を捧げられて本当によかった」「ナウモフ選手の思いが天国に届いたのではないか」などと声が上がっていた。

