陸上男子短距離の東京五輪代表は9日、山梨・富士吉田市内で合宿を報道陣に公開した。

日本選手権で100、200メートルとも2位に入り、400メートルリレー代表に名を連ねたデーデー・ブルーノ(21=東海大)は「せっかく選んでもらった。負けないように自分の気持ちを持ってやりたい。しっかり調整して、オリンピックで結果を残せる走りをしたい」。メンバー入りだけでなく、レースの出場へ意欲を示した。

まさに伸び盛り。陸上を始めたのは創造学園高2年生だった2016年。リオデジャネイロ五輪でリレー侍が銀メダルに輝いた。その、わずか5年前だ。「自分もあんな選手になれるように」と胸に刻んで練習はしていた。とはいえ、急成長で代表入りが実現し、いざ憧れた選手がすぐ近くにいる環境は「不思議な感じ」だ。「テレビ以外でも、すごい選手を近くで見るので」と笑った。

もともとはサッカー少年だった。ただ、高校のレベルについていけなかった部分もあり、「厳しいかな」と高1年の秋に辞めた。それから飲食店のキッチンのバイト生活も経て、陸上の道へ。そして大学4年生となり、代表の初切符を最高の舞台でつかみ取った。日本のリレー代表は世界では少数派のアンダーハンドパスを採用するが、「不安はないです」。それもそのはず。東海大では、日本代表にアンダーハンドパスを導入した高野進氏から指導を受けている。

現状、アンカーは桐生祥秀(25=日本生命)が最有力だが、デーデーも候補の1人だ。「自分の強みは後半部分。後半のスピード維持は得意。加速局面が終わってからバトンをもらうので、リレーで貢献できるかなと思っています」とアピールした。