日本で初めて女子1500メートルの五輪代表になった田中希実(21=豊田自動織機TC)は、4分2秒33の日本新記録で3組4位、全体でも4位となり4日の準決勝に進出した。

スタートと同時に先頭に立って集団を引っ張った。残り1周で3番手につけた田中は、周囲の選手のスパートに食らいつき、残り200メートルで2番手まで上がった。残り100メートルで順位を下げたものの、4着でゴール。自動的に準決勝に進出できる6位以内に入った。

レース後、田中は「日本記録を出せば準決勝に行けると思っていたので、目標通りのタイムで準決勝にいけてよかった。(ラスト1周は)対応できたとは言い切れないけど、かたまりの中でどれだけ粘れるかというところはできたと思う。1500メートルにこだわって、出場するだけではなくて、しっかりと前を向いて今までやってきたとこを出し切れた」と話した。

7月30日の5000メートルは自己ベストを更新したが、0秒38のわずかな差で落選した。1組はハイペースだったが、田中の2組はスローペースで最後はスパート勝負となって、ラスト200メートルで順位を落とした。「すごく悔しいけど、今まで自分がやってきたラストスパートがどこまで通用するのかを確認したかった。現状を知ることができてよかった」と気持ちを切り替えていた。

6月の日本選手権は800メートル3位、1500メートル優勝、5000メートル3位と3種目を走りきった。800メートルから1万メートルまで走ってきた。スピードや持久力を鍛えてきた経験を五輪の舞台で実らせた。「チャレンジしたから結果が出せた。準決勝はどんな結果でも力を出し切って、自己ベストが出せればいいと思う」。準決勝で再び日本記録に挑み、夢の決勝進出につなげる決意だ。