短距離陣の総崩れは、初の金メダルを目指す男子400メートルリレーにも不安を残す結果となった。

成熟のバトンは変わらず問題ないが、それ以上に個の走力差が浮き彫りになった。走順は予定通り、1走多田、2走山県、3走小池の見込み。4走は桐生かデーデーが濃厚だが、桐生は5月に痛めた右アキレス腱(けん)の回復具合が未知数で、デーデーは大舞台の経験に乏しい。サニブラウン、飯塚、山下は200メートルの状態を見ると、使いづらい。19年世界選手権では37秒43のアジア新で銅。ただ東京五輪の100メートル、200メートルの結果を見ると、世界のライバルは、2年前より明らかに調子を上げる。より高速決着になる可能性は高い。限られた時間の中で、日本の真価が問われる。