ホーム 東京オリンピック2020 陸上 ニュース RSS 実は奥が深いスターター「1秒のズレなく鳴らしたい」五輪マラソン出番待つ [2021年8月4日23時36分] 通知ON 通知OFF 号砲を鳴らすポーズを取る東京五輪マラソン・競歩スターターの遠藤さん 大会も折り返しを過ぎた東京五輪。5日から札幌市で開催されるマラソンと競歩でスタートの号砲を鳴らすスターターに抜てきされたのが、札幌英藍高教諭の遠藤典康さん(49)だ。一昨年11月、マラソンと競歩の会場が東京から札幌に変更となり、大役が回ってきた。裏方業務の1つと捉えながら、迫る大舞台での出番を待っている。 ◇ ◇ ◇号砲を鳴らすまであと数日。札幌英藍高教諭で、陸上部顧問でもある遠藤さんは「誰でも出来る仕事ではないし重責を感じている。世界各国から選手が来るので、定刻通り安全にスタートが切れるよう粛々と鳴らすだけ」。東京五輪のマラソン、競歩の全5種目でスターターを務める。冷静にその時を待っている。今年4月、遠藤さんも属する北海道陸協・橋本秀樹専務理事からスターターを任命された。東京開催の予定だったマラソン、競歩が札幌開催に変更となり、さらにコロナ禍で大会が1年延期。「ボランティアで何か五輪に携われたら」と思っていたところ、望外の重役を担うことになった。本来はスターターを務めるには国際技術委員(NTO)の資格取得の必要があるが、急きょ札幌開催となったことで試験も免除だったという。スターターは、その名の通りスタートの号砲を鳴らす役目だ。実は奥が深く、遠藤さんは「トラック競技は選手との呼吸を合わせることが大事だが、今回のようなロードレースでは、定刻ちょうどに鳴らせるように意識している」と話す。「秒単位でペースを確かめる選手もいるので、1秒のズレもなく鳴らしたい」。これまではトラック競技でしかスターター経験がなく、5月に行われた五輪テスト大会「札幌フェスティバル」で初めてロードレースのスターターを務めた。「初めて大きな大会で号砲を鳴らしたけど、定刻通り無事に鳴らすことが出来たと思う」と手応えを得た。今回の大役について、自身の口から生徒には話していない。「光栄だけどあくまで裏方業務の1つ。もっと大変な部署もあるし目立つべきは選手」と謙虚に構える。「選手が良い記録を出せるように裏方で連係しながら進められれば」と、揺るぎない心でスタートに立つ。【小林憲治】◆遠藤典康(えんどう・のりやす)1972年(昭47)6月28日生まれ、札幌市出身。札幌丘珠高3年時に陸上100メートル、200メートルでインターハイ出場。仙台大卒業後、道内の中学、高校で講師を経て、13年4月から札幌英藍高教諭。担当は保健体育。◆東京五輪のマラソン、競歩 札幌・大通公園がスタート、ゴール地点。マラソンは中島公園横、平岸通、創成川通、北大構内などを通るコース。競歩は札幌駅前通を周回する。すべての競技でテレビ中継を予定。マラソンの日本代表は、19年9月の代表選考会「グランドチャンピオンシップ」で男子1位の中村匠吾(28=富士通)、女子1位の前田穂南(24=天満屋)ら男女各3人。競歩は男女9選手が出場予定。◆スターター 陸上競技公認審判員資格を取得する必要がある。取得条件は18歳以上、陸上競技のクラブの登録会員の2点。ピストルは紙火薬を使うものが一般的だが電子式も増えている。東京五輪のマラソン・競歩では電子式を採用。ピストル自体が音を出すのではなく、引き金に反応して電子音を鳴らす。