陸上男子やり投げで初出場の小南拓人(26=染めQ、札幌市出身)は予選で敗退。競技後は早々に3年後のパリオリンピック(五輪)でのリベンジを誓った。

小南の初めての五輪の戦いは予選での3投で終わった。2投目が最長78メートル39だった。自己ベスト85メートル52にも、シーズンベスト82メートル52にも届かず、予選全体19位で決勝進出を逃した。力を出し切れず「記録的にはちょっと物足りないけど、この五輪という大舞台に立つことができたのはとても幸せなことだった」と振り返った。

白球からやりに持ち替えた元野球少年が、日の丸を背負った。札幌第一高野球部だったが、難病の網膜色素変性症のため入学直後にマネジャーに転向。2年からは陸上競技を開始した。病気によって周辺視野が狭いハンディを克服しながら、成長してきた。「自分だけの努力ではここまで来ることはできなかった」と感謝の気持ちがあふれた。

予選敗退を喫し、気持ちを新たにする。「来年の世界選手権、次のパリ五輪では予選通過を前提の上で入賞、メダル争いできるように努力していきたい」。さらに大きくなって、五輪の舞台に舞い戻る。夢の時間を過ごした東京・国立競技場で、そう決意していた。