敷根崇裕(23=ネクサス)が、個人では08年北京五輪の太田雄貴(銀メダル)以来3大会ぶり2度目のメダル獲得を逃した。アレキサンダー・シュペニッチ(27=チェコ)に8-15で敗れた。

準々決勝で12年ロンドン五輪銀メダリストのアラエルディン・アブエルカセム(30=エジプト)に15-13で競り勝った。準決勝では前回16年リオデジャネイロ五輪金メダリストのダニエレ・ガロッツォ(28=イタリア)に9-15で屈し、3位決定戦でも196センチの長身を誇るシュペニッチに圧倒されたが、初出場で太田以来の個人4強という成績を残した。

新型コロナ禍による大会延期をへて、五輪前最後の国際大会となった3月のグランプリ(GP)ドーハ大会では銀メダル。GP大会の表彰台も太田以来11年ぶりという快挙で、自国開催の夢舞台へ照準を合わせてきた。

会場には、その太田日本協会前会長や、新会長に就任した「百獣の王を目指す男」ことタレント武井壮が関係者として応援に駆けつけていた。借りは8月1日の団体戦で返す。「小さなころからの夢」という金メダル獲得のチャンスは、まだ残っている。【木下淳】

 

◆敷根崇裕(しきね・たかひろ)1997年(平9)12月7日、大分県生まれ。元日本代表、元日本協会強化本部長の父裕一さん(55)の影響で4歳ごろ競技を始める。16年世界ジュニア選手権で個人、団体の2冠。17年にはシニアの世界選手権で銅メダルを手にした。19年のアジア選手権も2冠を達成。東亜学園高から法大。183センチ、68キロの体格とスピードが武器。家族は両親と兄。血液型B。