3度目の宇宙長期滞在のミッションから帰国した野口聡一宇宙飛行士(56)が13日、日刊スポーツ新聞社のインタビューに応じ、開会式が10日後に迫った東京五輪・パラリンピックへの期待や思いを語った。

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野口さんは昨年11月から国際宇宙ステーション(ISS)に約半年間滞在。4月には、東京五輪・パラリンピックを宇宙から応援することになる星出彰彦宇宙飛行士(52)とISSで合流し、五輪への思いをタスキリレーでつないだ。5日には宇宙航空研究開発機構(JAXA)のある茨城・つくば市で聖火リレーの走者を務め、感慨の面持ちだった。

野口さん このご時世に聖火リレーを走れたのは本当に良かった。その最終日に走れて、帰ってきたなあと。なじみのある街で。

10年ぶりのISSはネット環境が進化した。地上とほぼ同様にツイッター、ユーチューブなどを駆使できる。野口さんもユーチューブに自ら動画を撮影編集してアップロードした。リアルタイムな情報から東京五輪・パラリンピックは外国人宇宙飛行士たちと、ごく日常の話題となっていた。

野口さん オリンピックの話題もたくさん出て、クルーも観戦ツアーにいきたい、と言っていたが今年の冬ぐらいから、どうやら外国人の観客を入れないらしいというニュースが出た。アメリカ人クルーは「残念」と、よく言っていた。MLBオールスターゲームのホームランダービーに出た大谷(翔平)さんは、クルーも知っているアイコン(あこがれの的)。

東京五輪・パラリンピックでは陸上競技に注目している。

野口さん 中学高校は陸上部だったので、マイナーな3000メートル障害とかハードルとか面白いところだなと思っている(笑い)。何と言っても、今年は100メートル、リレー男女ともに活躍してくれると思っている。

東京五輪の開会式はいよいよ10日後に迫った。

野口さん ここまで来たら平和とスポーツの祭典を心から楽しんで、大会をやって良かったと思えるようにみなさんで盛り上げていっていただきたい。