東京オリンピック(五輪)の開幕を目前に控えテニス女子米代表のスター選手コリ・ガウフ(17)が18日に新型コロナウイルスの検査で陽性となり欠場が発表されたのに続き、翌19日には女子体操選手団の1人で補欠選手のカラ・イーカー(18)の感染も確認され、米国に衝撃が走っている。

イーカーの感染を巡っては当初、プライバシーの保護の観点から氏名の公表が差し控えられていたが、監督が後に感染したのはイーカーだったと認め、ワクチン接種済みだったことを明かしている。米USAトゥデイ紙は、「東京でカオス」と相次ぐ選手の感染を報道。開幕まで4日残っている時点ですでに悪夢のシナリオが展開されていると伝え、「リスクはゼロ」と国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が主張したにも関わらず大混乱は始まっていると皮肉った。

CNNも開幕4日前の時点ですでに五輪関係者の感染は60人を超え、うち半数が日本に居住する日本人の関係者であると伝え、ワクチン接種率が低い日本に世界200カ国からワクチン接種の有無に関係なく選手や関係者が集まって開催することの危険性を指摘。

出場する選手や関係者へのワクチン接種を義務化することをせず開催を強行したことで、1年前から心配されていた感染拡大が現実のものとなっていると報じた。「悲劇的な状況にならないよう幸運を祈る」とかねて専門家が指摘しているスーパー・スプレッター・イベントが現実になりつつあることを伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)