東京五輪開会式が23日夜、東京・国立競技場で行われた。音楽制作チームのメンバーだった小山田圭吾氏(52)が過去の障がい者いじめ告白で国内外から批判を受け、開会式4日前の19日に辞任。小山田氏が手掛けていた約5分間のオープニング部分は急きょ差し替えとなり、音楽監督を務める音楽プロデューサーでDJの田中知之氏(55)が担当した。

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オープニングは黒板にチョークで描く手書きアニメーションで始まった。13年の招致決定以降、8年間のアスリートたちの歩みをカウントダウンしながら映像で振り返った。映像では、3月に亡くなった92年バルセロナ五輪柔道男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さん(享年53)の姿もあった。

オープニングと開幕までのカウントダウンを描くパートにわたる約5分間の音楽は、音楽監督の田中氏が4日間で作り上げた。田中氏は開会式当日の朝、更新したツイッターで「今、自分たちにできるすべてを出し切り、粛々と準備を進めてまいりました」と、全力で取り組んできたと明かしていた。

また、64年東京五輪の金メダル1号、重量挙げの三宅義信氏(81)や00年シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子氏(49)らが日の丸を持って入場する「フラッグベアラー」に選ばれた。子供8人に先導される形で、日の丸を持った三宅氏らが入場。フラッグベアラーには医療従事者も加わり、コロナ禍で休む間もなく奮闘し続ける医療従事者への感謝を示した。

開会式を巡っては、小山田氏の辞任後も開会式前日の22日、元「ラーメンズ」で演出家・小林賢太郎氏(48)が過去のコントで「ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)」をネタにしていたことが判明。即日解任されるなど、直前までドタバタ劇が続いたが、小山田氏の担当部分以外は当初の計画通りに開催された。【近藤由美子】