真夏の夜空に誓いが響いた。日本選手団の主将で陸上男子の山県亮太(29=セイコー)と、副将で卓球女子の石川佳純(28=全農)がペアで宣誓の大役を務めた。スタンドに観客はおらずとも、画面越しに、世界中の視線が2人に注がれている。その紡がれる言葉は、世界へと発信するメッセージだ。2人は「私たちは全ての選手の名において」と切り出した。柔道の井上氏、ソフトボールの宇津木氏の男女監督ペア、審判員2人の男女ペアも合わせ、計6人で声を合わせた。そして気持ちも重ねた。

「調和と平等、フェアプレーの精神に則り、競技規則を尊重し、これを守り、ともに連帯して、スポーツがドーピング、不正行為や、あらゆる差別のないものとなることを目指します。私たちはチームの名誉のために、オリンピズムの基本原則に則り、スポーツを通じて世界をより良い場所にするために、このオリンピック競技大会に参加することを誓います」

宣誓文では五輪史上初めて、調和と平等、無差別のために連帯して、五輪に参加することが加えられた。大役を全うした。男女ペアでの宣誓はジェンダー平等促進の理念に基づいてのものだった。【上田悠太】