東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は4日、ギリシャのアーティスティックスイミング(AS)チームの全12人を選手村外に隔離したと発表した。これまでに選手4人、チーム役員1人の計5人が新型コロナウイルス検査で陽性と確認され、残る7人の一部も既に濃厚接触者と認定されているためチームごと隔離した。今大会初の「クラスター」となった。

組織委はこの日、ギリシャのAS選手3人の陽性を発表。前日3日も選手1人が、7月30日には同チームの役員が陽性判定だったと発表されていた。都内のメインプレスセンター(MPC)で定例会見に出席した組織委の高谷正哲スポークスパーソン(SP)は「1つのグループで5人。クラスターと言わざるを得ない」との認識を示した。

チームは全12人。5人が陽性で7人が陰性の結果が出た後、7人の一部は既に濃厚接触者と認定されたため、組織委は「直ちに濃厚接触者隔離施設へ移す必要がある」と判断。ギリシャ・オリンピック委員会(HOC)に隔離を提案し、受け入れられた。ASチームは前日のデュエットを欠場し、チームにも出場できなくなったとHOCが前夜に発表していた。

高谷SPは「濃厚接触者は個食、個室待機が可能であれば選手村にとどまることができるが、今回のケースはモニタリング強化が必要と判断し、村外への隔離を決めた」と説明。組織委として「1日も早い回復を祈念いたします」とした。

新型コロナ関連で、チームごと出場できなくなったケースは初めて。高谷SPも「大変な準備をして東京に来ていただいて、本国からも多くの期待を受けていたと聞いております。選手の気持ちを考えると非常に心が痛む思い。組織委員会も全員、同じ気持ちです」と神妙だった。【木下淳】