東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長(78)が9日、五輪閉幕一夜明けの報道対応を都内で行った。

否定的な意見があった前夜の閉会式について「終わった後の選手の安らぎ、交流があったと思う。開会式とは違った雰囲気でコンセプトは十分に示せた」と評価した。

しかし、すぐ「ただ…」と言葉を続け「開会式も閉会式も、コロナによってコンセプトを大きく変えた。昔の(盛大で華美な)五輪の開閉会式と比較して、いろいろおっしゃる方も多いが、今回の開会式は『国威発揚』を視野の外にした。エネルギー爆発型のお祭りというコンセプトも、やめた」と説明した。

その結果として「ある意味、地味なものになったかもしれないが、コロナ時代にふさわしい抑制されたものになった。人々の意思を表明することはできたと思う」と語った。

閉会式については「クリエーティブチームに途中(辞任や解任など)いろいろな問題があったが、コンセプトに沿えた。好きか嫌いか、評価するかしないか、は分かれると思うが、今の時代に立てたコンセプトの下で式典が行われた」と、延期による予算縮小や時代に合わせ、一定の評価や理解を示した。【木下淳】