東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)が、グランドフィナーレで「復興五輪」への思いを前面に押し出した。

秋篠宮皇嗣殿下のご臨席への感謝を述べた後、スピーチの序盤で、東京大会のテーマであった東日本大震災からの復興を強調。「私たちの旅は、今、終わりを迎えようとしています。長い旅路の最後となった東京パラリンピックは、全ての会場が笑顔であふれていました」と前置きした上で、こう続けた。

「メダリストの笑顔に添えられたブーケは、東日本大震災の被災地で育てられた花から造られました。選手村では、被災地の食材を使った和食を楽しんでいただきました。ともに、困難を乗り越えた人たちの不屈の精神が込められているからこそ、この舞台でいっそう輝いたと思います。この輝きを、復興の道を照らす光として、さらに前へ進めて参ります」

7月14日に発表された、五輪も含めた開閉会式4式典のコンセプトから「復興五輪」の2文字が消えていた中、かねて「復興への貢献は東京大会の源流」と力を込めてきた橋本会長が、こだわりを最後の最後に示した形だ。

新型コロナウイルスの流行が収まらない中、世界中から集まった163チーム4405人のパラアスリートに対しては「(招致した)約8年前にお約束した『おもてなし』を感じていただけたのではないでしょうか。皆さんの圧倒的なパフォーマンスに心が震えました。確固たる信念と、強い覚悟という土台の上に、幾重にも努力を積み重ね、決して自らの限界をつくらない姿を見ました。皆さんが歩んできた長く険しい道は真っすぐに、そして重く、私たちの心を揺さぶりました」と感服の念を届けた。

そして「パラリンピアンの躍動は、私たちに届けられたメッセージです。その姿に、多くの人がここから何かを始めようと思いました。私たちはたくさんの気付きと、自らを見つめ、未来を創造する力をいただきました。変化は気付きから始まります。互いの違いを認め、支え合い、いかなる差別も障壁もない、多様性と調和が実現した未来を必ず、つくる。この決意が社会の変革の契機となることを誓い、私たちは、さらに歩みを進めます」と選手たちを前に約束した。