卓球女子団体で日本が2大会ぶりの決勝進出を決めた。

準決勝で香港を3-0で沈め、3試合連続のストレート勝ち。石川佳純(28=全農)平野美宇(21=日本生命)のダブルスで先勝し、続くエース対決も伊藤美誠(20=スターツ)が苦しみながら制した。12年ロンドン五輪以来の銀以上が確定。

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19年以降、中国人以外の海外勢には負けなし伊藤も、五輪の準決勝はそう簡単にはいかない。世界ランキング15位の杜凱琴(24)と同2位伊藤のエース対決。第2ゲーム、1-8から9-9まで追いつくも9-11で奪われる。

「大丈夫。悪くないと言い聞かせた」という第3ゲーム。0-1から11連続得点で嫌な流れを断ち切ると、最終ゲームも苦しみながら11-7で取り切った。

絶対に5年前と同じ轍(てつ)は踏まない-。集中力を高めた。16年リオデジャネイロ五輪の準決勝、ドイツ戦の1番手で登場。最終ゲームを9-3とリードするも、逆転され第1試合を落とした。ショックを引きずるように福原愛との3番手のダブルスも敗れ、決勝進出を逃した。

「五輪は何が起こるか分からない。リオで経験させてもらったからこそ、東京では本当に何があってもいいような準備をしておく」。大会前、そう話していた伊藤。誰よりも多く練習してきた自負がある。5年前がよぎるような試合展開にも「全くリオの意識はなかった」。シングルスで逃した中国への挑戦権を得るまでは、負けるわけにはいかなかった。

その中国は4日にドイツと準決勝を戦うが、決勝進出は濃厚。主将の石川は悲願の金メダルに向け「自分を信じる。仲間を信じる。決勝を楽しむ」と小気味よく言った。日本は混合でその風穴を初めてあけたが、5日の決勝戦でも女子団体初の金メダルを狙う。【三須一紀】