男子テニスで、16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)銅メダルの錦織圭(31=日清食品)が20日の会場初練習で、気合の2部練を敢行した。19日に帰国したばかりだが、午前、午後ともに約1時間強、しっかりと汗を流した。

2大会連続のメダル獲得に意欲があふれる2部練だった。錦織は前日19日に、拠点とする米国から帰国したばかり。日中での時差調整も兼ねてからか、午前は新装の1番コート、午後はセンターコートで、高温多湿の日を浴び続けた。

午前は、ダブルスを組むマクラクラン勉(29)との練習だった。錦織が五輪で単複出場するのは、12年ロンドン五輪で添田豪と組んで以来2度目。普段、調整で年2、3回しかダブルスに出場しない錦織にとって、高温多湿の中での2種目出場はチャレンジとなる。午後は、ダニエル太郎(28)と打ち合った。

地元五輪への思いは深い。メダルを獲得した前回のリオ五輪で「前半、競泳がメダルを獲得していったのを見て、頑張りたいと思った」。コロナ禍で「葛藤もある」と、手放しでは喜べないのも事実だが、メダルへの気持ちは今でも変わらない。

無観客とはいえ、錦織が会場の有明テニスの森公園でプレーするのは、17年楽天オープン以来4年ぶりとなる。国内で試合をするのも、有明が工事中で使えず、武蔵野の森総合スポーツプラザで行われた18年楽天オープン以来だ。

年齢から考えても、これが最後の五輪となるかもしれない。その五輪が地元で、得意のハードコート。けがで世界ランクを落としているとはいえ、日本テニスの“聖地”で、日本が生んだテニス界のヒーローが、燃えないわけはない。【吉松忠弘】