静岡県藤枝市の藤枝総合運動公園を管理する同市サッカー協会グループが、「トップアスリート教室」を開催している。サッカーや陸上、野球のプロ選手を迎え、子供たちが直接触れ合える機会を設けている。

これまでに、サッカーでは99年ワールドユース準優勝メンバーの石川竜也氏(38=現J2モンテディオ山形コーチ)や、J1清水エスパルスのMF河井陽介(29)、FW北川航也(22)らが講師を務めている。

取材にもうかがった。その日は、J3藤枝MYFCの石崎信弘監督(60)とコーチ陣が招かれた。参加した同市内の小学6年生約200人は、ゲーム性を取り入れたウオーミングアップや基礎練習で指導を受け、笑顔でボールを追った。終了後、参加者を代表してあいさつをした片山翼くんが「MYFCに入れるように頑張ります」と、目を輝かせていた姿が印象的だった。

私自身も、幼少期にFW三浦知良(51=J2横浜FC)が見せるシザースに憧れ、家の庭で夢中で練習したことを覚えている。「将来、プロになりたい」。「こんな選手になりたい」。「同じプレーをしたい」と強い憧れを持つことは、成長につながる大きな要素の1つだと思う。

現在、静岡には清水、藤枝に加えてJ1ジュビロ磐田、J3アスルクラロ沼津とJクラブが4チームある。これは、神奈川の6チームに続いて2番目に多い。当然、各クラブや選手の協力の上で成り立つものだが、今回のように、子どもたちが貴重な経験を積むことができる土壌がある。

藤枝市サッカー協会グループの関係者も「子どもたちがサッカーに夢中になったり、もっと上達したいと思う、何か1つのきっかけを与えられるような場所を設けていければと思っています」と話していた。その願い通り、この先も続いてほしいイベントだ。


◆前田和哉(まえだ・かずや)1982年(昭57)8月16日、静岡市生まれ。小2からサッカーを始め、高校は清水商(現清水桜が丘)に所属。10年入社。一昨年までは高校サッカーを取材し、昨年から磐田担当。