J1清水エスパルスが、来季のJ1残留へ近づいている。0-4でFC東京に大敗後、ロティーナ前監督(64)を電撃解任。クラブOBの平岡宏章監督(52)が、2年連続でコーチから昇格する形で就任した。監督交代後は3試合で2勝1分けと無敗。最終戦を残して、降格圏17位徳島ヴォルティスに勝ち点3差の15位に位置している。

降格のなかった昨季、平岡監督は残り9試合の時点で就任。4勝2分け3敗と、勝ち越してシーズンを終えた。下位4チームが降格する今季は残り4試合の時点でバトンを受けた。より厳しい状況での要請となったが「エスパルスを愛しているからこそ引き受けた」と、クラブ愛を貫いた。

戦い方のベースは変わらない。就任会見で平岡監督は「ロティーナさんが積み上げてきたことを継承しつつ、自分の色も出していければ」。前体制からの規律ある守備を継続。一方で「もっとダイナミックでもいい」と話した攻撃では、少ない手数でシンプルにゴール前へ迫るプレーも増えた。浦和戦で今季初の連勝を飾るなど、攻守の歯車がかみ合ってきた。

最終節はセレッソ大阪と対戦する。引き分け以上で、自力での残留が確定。「残留が第一目標」としてきた指揮官のミッションが、成功に終わるか注目が集まる。【古地真隆】

6日札幌戦で、滝がゴールを決め雄たけびを上げる平岡監督(2021年11月6日撮影)
6日札幌戦で、滝がゴールを決め雄たけびを上げる平岡監督(2021年11月6日撮影)