森保一監督(57)がボリビア戦で代表史上初めて国際Aマッチ100試合目を迎えた。自分にとって、あなたにとって、そして日本サッカー界を愛する人々にとって心に残る100分の1がある。3人の担当記者がオンリーワンの一戦を挙げた。
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ピッチ内外での戦いにおいて印象に残っているのが、W杯北中米大会の出場権獲得に王手をかけた、24年11月のアジア最終予選アウェー中国戦だ。
中国がピッチ幅を両サイド1・5メートルずつ狭め、君が代に大ブーイング、試合中にはサポーター乱入や日本選手がレーザー照射をされるなど“事件”が多発した試合。その中で森保監督の強い発信が印象的だった。
国際試合では相手国の国歌の際にも起立するのが通常だが、この日は中国サポーターだけでなく、現地メディアまでもが座ったまま大ブーイング。異様な雰囲気で君が代がかき消されることになった。
この光景に指揮官は「熱く戦う気持ちは尊重したいが、選手たちはピッチ上でフェアにアグレッシブに、ルールの中で戦っている。お互いの尊重においても、国歌斉唱の時にはブーイングはやめていただければありがたい」。試合中に何度もレーザーポインターの光を選手が受けたことにも言及し「目に当たったりした場合、健康を害するかもしれない。選手たちの健康を守るためにも、過剰な応援以外のことはやめていただければありがたい」と、丁寧な言葉を使いながらも、毅然(きぜん)と抗議。
“アウェーの洗礼”といった言葉で終わらせなかった指揮官の姿は頼もしく、国を代表して戦うリーダーとして相応しいものだった。
日頃から「ファミリー」という言葉を用いて周りを巻き込んでいくだけでなく、必要とあれば自らが矢面に立つ。周囲が信頼して接することができる指導者がいる限り、日本代表を中心としたうねりは、まだまだ広がり続けていくことになりそうだ。【永田淳】

