鹿島の石井正忠監督(49)が、26日の練習を休んだ。クラブ関係者によると心労でダウン。7~8月の公式戦4連敗、20日の湘南戦で起きたFW金崎との口論、その影響による日本代表落選などショッキングな出来事が重なった。クラブは、この日だけ休養を与えて様子を見る方針だが、今日27日の横浜戦で指揮できるか未定だ。

 鹿島の練習場に石井監督の姿がなかった。翌日の横浜戦に向けて、本来は監督の声が響き渡り、セットプレーの確認に時間を費やすはずだったが、大岩コーチが代わって陣頭指揮。クラブハウスには訪れたものの、調子が悪そうだったために帰宅して静養した。

 この日、都内のJFAハウスで開かれた日本協会の技術委員会を欠席し、対応に当たった鈴木常務によると「体調不良。責任感の強い男なので、うまくいかない最近の状況に心労もあったようだ」と説明した。第1ステージを優勝に導いたが、第2ステージは9位。スルガ銀行チャンピオンシップを含め一時は公式戦で4連敗した。20日の湘南戦では交代タイミングをめぐって金崎から握手を拒否される造反に遭い、指導者として責任を痛感していた。

 金崎から翌21日に謝罪があり、チームメートにも頭を下げたことで沈静化。クラブも厳重注意はしたが、追加処分はなく一件落着し、金崎は今日の横浜戦も先発の見通し。しかし、25日の日本代表発表で10カ月ぶりに落選。ハリルホジッチ監督から「日本代表の選手が、あのような態度を取ってはいけないし、受け入れがたい」と“追放”された。鹿島側は「直接的な要因ではない」としているが、教え子のW杯アジア最終予選出場が奪われた形になり、石井監督がさらに責任を感じた可能性もある。

 石井監督は1人で車に乗り、しっかりとした足取りで帰宅した。鈴木常務から「今日は休んで、明日はやってくれ」と伝えられており、横浜戦を指揮するため回復に努めた。監督交代の可能性については、鈴木常務は「考えていない」と明言した。【木下淳】