湘南ベルマーレFW山田直輝(27)が、ツエーゲン金沢戦で1ゴール1アシストと活躍し、チームを大勝に導いた。

 前半1分、自らキックオフしたボールを受けたMF藤田征也が、MF菊地俊介(25)とのワンツーから上げた右クロスを、中央に走り込んで右足で合わせた。やや当たり損ねだったが、ボールはゴール左上に吸い込まれた。

 キックオフのホイッスルから、パス4本、わずか10秒ほどで金沢ゴールを陥れた速攻は、開始29秒で速攻からオウンゴールを誘発し、2-0で勝った8月26日のザスパクサツ群馬戦をイメージしていたという。群馬戦も、藤田の右クロスがOGにつながった。

 山田 ニアに入るシュートを打とうと思ったんですけど(当たり損ねて)気持ちで押し込みました。クサツ戦は、最初からいく気持ちを見せようと話していた。今日はクサツ戦と同じような入りをしようと言っていた。でも、まさか入るとは思っていなかった。

 同32分には、MF石川俊輝の右からのパスを受けた菊地の縦パスを受けると、ゴール前に冷静にラストパスを送り、MF秋野央樹(22)のゴールをアシストした。「今日は選手が(後方から)湧き上がって出てきていた。前線にボールが収められれば、フリーの選手がたくさん出来る状況だった。縦パスが入った時だけ、落ち着いてやろうと思っていましたけど、いい形が出来ました」と笑みを浮かべた。

 群馬戦の前半12分に右足でゴールを決めて以来、5戦ぶりの今季4ゴール目だが、その数字以上に特に夏場以降は進境著しい。11ゴールでチーム得点王のFWジネイ(33)との連携は切れを増し、前線でのボールキープ、シュート、ラストパスの精度は上がり、次々と決定機を生み出し、湘南の攻撃の中心として前線に君臨している。「攻撃は全て自分から、という意識でやっている。全ての攻撃に関わりたい」。その口ぶりからも、充実と自信が漂う。【村上幸将】