昨季Jリーグ王者の川崎フロンターレは0-1でメルボルン・ビクトリー(オーストラリア)に敗れた。試合終了間際に失点し、通算1分け3敗の勝ち点1でF組最下位。2節を残し、1次リーグ突破が絶望的になった。

 昨季のJリーグ王者がまたも悲劇的な幕切れで勝ち点を落とした。7日のホームでのメルボルン・ビクトリー戦は残り30秒で同点弾を浴びたが、今回は0-0でロスタイムに入る直前に痛恨の1発を浴びた。鬼木監督は「立ち上がりは悪くなかった。チャンスがいくつかあったところで決めきれず、最後に苦しいゲームになった」と肩を落とした。

 10日のG大阪戦から中2日。片道10時間半の長距離移動もあり、先発を6人入れ替えた。G大阪戦に出場しなかったFW大久保が、細かいパスでの崩しからゴールへ向かったが、前半10分の左足シュート、同38分のスライディングシュートもGKの好セーブに阻まれた。昨季、リーグトップの71得点を挙げた自慢の攻撃力が出せぬまま時間が過ぎ、後半14分にFW小林を投入も打開できなかった。

 1次リーグ突破は絶望的だが、かすかに可能性は残されている。昨季のリーグ終盤は、残り3試合で首位鹿島との勝ち点差は4だった。「引き分け以下で終わり」の状況下で、鬼木監督が掲げた「他力だけど自力」の精神で3連勝し、逆転優勝につなげた経験がある。突破の道は険しいが、DF谷口は「勝てなかったのは残念だが、最後の2試合、日本の意地を見せたい」と前を向いた。

 ◆川崎Fの行方 川崎Fは4月4日にアウェーで上海上港と対戦するが、キックオフ直前にメルボルン・ビクトリー(V)-蔚山戦の勝敗が決すれば、試合前に1次リーグ敗退が決定する。川崎Fが突破するためには2連勝が最低条件。かつ、メルボルンVと蔚山が引き分け、最終節で上海上港がメルボルンVに勝つことが必須になる。