試合後のインタビューで話す守護神の声はかれていた。それは大岩監督も、多くの選手も。GK曽ケ端は「いつもこんな感じですよ」と笑い飛ばした。それだけ声を掛け合い、カバーし合った。鹿島アントラーズの今季初の連勝は全員でつかみ取った。

 相手は浦和レッズ。何より、かつての指揮官だったオリベイラ監督がいる。「勝ってうれしい要素が、より一層多い」とDF昌子は話していた。その思いを全員が共有していた。浦和のエース興梠に渡ったボールは昌子が防ぎ、昌子がペナルティーエリア内で奪われた場面では曽ケ端が体を張った。

 「カバーの意識がみんなあった。それがたまたま僕だったというだけ」。好セーブが目立っても、守護神は意に介さない。なぜならGKは「ちっちゃい仕事しかない」という思い。ただ、猛攻に耐えるという小さな仕事をいくつも積み重ねて、PKによる1点を守り抜いた。MF永木は「あれができるのが鹿島の強み。久しぶりにこういう勝ち方ができた」と胸を張った。

 オリベイラ監督の下で3連覇に貢献した守護神は38歳。いまだ存在感を放つ。今季初の連勝は前節の曽ケ端のリーグ戦初出場から始まった。7年ぶりに再会した同監督を「相変わらず格好良かった」と言ったが、曽ケ端も負けてはいない。【今村健人】