清水エスパルスは苦しみながらも初戦突破を果たした。JFLで愛媛県代表のFC今治に1-0。後半32分にMF河井陽介(28)が、ヘディングで決勝ゴールを挙げた。

 清水が格下相手に苦戦した。前半から相手にボールを保持され、守備の時間が続いた。前線からのプレスもかからず、FW鄭大世(34)とFW北川航也(21)も孤立する展開。同15分にMF金子翔太(23)のスルーパスから鄭が左足ミドルで狙うも、シュートは相手GKの正面。ゴールを脅かす決定機は作れなかった。

 リーグ戦ではないが、現状のベストメンバーで臨んだ。ヤン・ヨンソン監督(58)は「相手は関係なく、自分たちのサッカーをやることが大事」と話したが、JFL相手に互角の展開。ボランチで先発したMF白崎凌兵(25)も「自分たちでボールを握るサッカーをしたい」と積極的にボールを呼び込むも、攻撃のテンポは上がらなかった。それでも、ハーフタイムにヨンソン監督は「我慢強くプレーしよう」と指示。後半45分間で決着をつけるべく、選手を送り出した。

 だが、展開は好転せず、時間の経過とともに焦りも出てきた。後半22分には自陣でのパスミスからピンチを招く。GK西部洋平(37)が相手との1対1を止めてゴールを死守するも、あわや失点の場面だった。

 それでも、強引にゴールをこじ開けた。同32分、FW鄭が左サイドでボールを受けると、中央へ鋭いクロスを供給。ゴール前に飛び込んだMF河井がヘディングで合わせてネットを揺らした。リードを奪ってからの時間帯も相手に攻め込まれ、最後まで苦戦。追加点は奪えず、辛くも勝利を収めた。【神谷亮磨】