J1ベガルタ仙台のDF永戸勝也(24)が新ポジションで覚醒し、3年連続の開幕スタメン入りへ当確ランプを点灯させた。今キャンプから主戦場だった左ウイングバックから、3バックの左にコンバート。8日は宮崎・延岡市西階陸上競技場で、今日9日に完全非公開で行われる練習試合(対戦相手非公表)に向けたミニゲームに臨んだ。主力組とみられるチームの最終ラインを務め、攻守で存在感を見せつけた。

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最終ラインの一角にコンバートされた永戸が、水を得た魚のごとく上下動を繰り返した。MF関口訓充(33)と連動しオーバーラップで何度も追い抜くと、敵陣深くまで侵入し、強い弾道のクロスをゴール前に流し込みチャンスメーク。守ってもスピードのあるFWジャーメイン良(23)が加速する寸前にボールを奪取するなど、体を張ったプレーで何度もピンチの芽をつんでみせた。

永戸 (配置転換を)すごくポジティブに取り組めているし、スタッフの人と映像チェックしながら動きの整理もできてきた。ウイングバックとは組み立ての部分などで違いはありますが、やりにくさは感じません。(サイドを)上がる回数も増やせるだけ増やしていきたい。

1月にDF板倉滉(22)がプレミアリーグのマンチェスターCに完全移籍(現在はオランダ1部フローニンゲンに期限付き移籍中)。ぽっかりと空いた同ポジションを埋める存在として、永戸に白羽の矢が立った。渡辺晋監督(45)は「攻撃参加と左足という彼の武器を、チーム戦術に組み入れようという意図がありました。プレーの選択肢も増えているし、チームにプラスになっている」と配置転換に好感触を口にした。

永戸はリーグ通算46試合出場を誇るもまだ無得点と、ゴールへの思いはひときわ強い。全体練習を終えると、武器の左足に磨きを掛けることを怠らなかった。実戦を想定し、試合用スパイクに履き替えてFK練習へ。10球中4球を枠に捉えると「糸満キャンプでも蹴っていたので、いい感触はつかめています」。新任地で水を得たレフティーが、開幕からスコアを刻む予感を漂わせた。【下田雄一】