元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34=ヴィッセル神戸)が4日、都内の京成電鉄・四ツ木駅で行われたイベントに出席した。

四ツ木駅のある葛飾区は、人気サッカー漫画「キャプテン翼」の原作者である高橋陽一氏(58)の故郷。駅全体にキャプテン翼の特別装飾を施して同漫画の世界観を演出する企画はこの日までに完成し、記念セレモニーが行われた。

イニエスタは幼少期からキャプテン翼のファンだったといい、来日した縁もあって同企画のオフィシャルサポーターに任命された。深緑のセットアップに白いスニーカー姿で出席したイニエスタは高橋氏とともにステージに立ち「日本に来る決断をするうえで重要なことはたくさんあったが、キャプテン翼が作られた日本でプレーできることはとてもうれしいこと」と笑顔で語った。

キャプテン翼はテレビアニメで見ていたと話す。「6歳か7歳くらいだったと思う。朝8時から放送していて、学校に行く前に母にテレビをつけてもらってよく見ていた。お気に入りだった」と当時を振り返った。主人公の大空翼が得意とするドライブシュートやライバルとして登場するGK若林源三のセーブなどを覚えているという。「(漫画の)なかにはすごく難しい技もあってなかなかできないものもあるけど、サッカーのいいところはクリエーティブにプレーできること。それを実現しようとやってきた」と、幼少期に受けた刺激をなつかしそうに振り返った。

四ツ木駅の特別装飾や、イニエスタがオフィシャルサポーターになったことについて高橋氏は「漫画を描きはじめたころには夢にも思っていなかった」と驚きを口にした。漫画では大空翼が成長を続け、最終的にイニエスタの前所属であるスペイン1部バルセロナでプレーする姿が描かれている。「そのバルセロナのスーパースターであるイニエスタが四ツ木駅に来てくれるなんて」と感動もひとしおの様子だった。イベント内では高橋氏からイニエスタへ、大空翼とイニエスタのイラストが描かれた南葛SCのユニホームがおくられた。

四ツ木駅構内にはイニエスタの等身大の像が大空翼の像と並んで設置された。イニエスタは「この駅が多くの方々にとって特別な場所になると願っているし、またここに来ることができたら」と笑顔を見せた。