北海道コンサドーレ札幌は松本山雅FCに0-0の今季初の引き分けで、リーグ戦5連勝はならなかった。左膝靱帯(じんたい)損傷で一時帰国しているFWアンデルソン・ロペス(25)に加え、この日は開幕から全試合先発していたMFチャナティップ(25)も右太もも裏負傷のため欠場。攻撃の中心選手を欠く中、得点は奪えなかったが無失点で踏ん張り、敵地で貴重な勝ち点1を積み上げた。

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今季初のスコアレスドローで90分が終わっても、札幌イレブンは下を向くことはなかった。試合前からの想定通り、松本の堅守に苦戦した。ゴールを破れなかったが、失点を許すこともなかった。ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)も「今日は泥臭い試合だった。選手たちはよく走り戦ってくれた。引き分けという結果は妥当」と受け止めた。

敵地で勝ち点1だけは死守した。前半は完全に松本ペースだった。チーム初シュートがMF菅が放った前半36分だったように、立ち上がりから守備の時間が長くなったが、相手の決定力不足に助けられた。後半はボールをつなぎながら崩すスタイルを徹底。ゴールに迫る場面を増やしたが、破るまではいかなかった。

攻撃の中心選手を欠く中、踏ん張った。前節からチーム得点王FWロペスが離脱しているうえに、8日ルヴァン杯横浜戦で途中出場したMFチャナティップも右太もも裏を痛め欠場した。この日は両シャドー(1・5列目)にMF早坂、MF荒野を並べて臨んだ。1トップのFW鈴木が「最初の方はちょっとふわっとしていた。前の3人は、いつも練習でやってるメンバーじゃないので」と振り返るように、ぶっつけ本番を乗り切った。

これでリーグ戦5試合負けなしとなったが、苦しい台所事情に変わりはない。チャナティップの現状について、ペトロビッチ監督は「1週間から2週間という診断」と話し、次節首位東京とのアウェー戦出場も微妙だ。後半は攻勢に出ただけに鈴木は「ケガ人が出てても試合中に修正してできたのは良かった。もっともっと話し合って、次の試合に向けてやっていきたい」と前線の連係向上に自信を見せる。今後も総力戦は続く。チーム力が問われる。【保坂果那】