首位をたたいて自動昇格圏に浮上だ。J2は2位から6位まで勝ち点1差の大混戦。プレーオフ圏6位のモンテディオ山形は4日、天童市内でミニゲームなど約2時間の練習を行った。持ち味の堅守が復活して4試合連続無失点中と勢いに乗るが、7日はアウェー柏レイソル戦。相手は13戦無敗(11勝2分け)で、その間に33得点と「強力な矛」を擁する。先発が予想される栗山直樹(28)、加賀健一(35)、熊本雄太(24)のDF3バックが「鉄壁の盾」で0封締めを狙う。

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DFリーダーで3バック中央に陣取る栗山にとって、8月11日の新潟戦で約1年1カ月ぶりに復帰した右の加賀は頼もしい存在だ。「対人能力があり右サイドをほとんど破られなくなった。クロスの守備もコミュニケーションを取りながらできている」。6月のホーム柏戦ではCKからゴールを許し、0-1で10試合ぶりの黒星を喫した。「外国人選手、江坂選手など前が特に強力で、後ろもセンターバック中心に堅いし穴がないチーム。自分たちが押し込んだときに普段なら大丈夫だろうというところでボールを取られたり、キープできなかったり、守備陣も個の力が高いと感じた」と振り返る。

J1、J2通算で272試合出場を誇るベテラン加賀は、昨年6月30日の岐阜戦を最後に右膝前十字靭帯(じんたい)断裂などで長期離脱した。戦線に戻ってからの4試合は、すべてスタメンで無失点に貢献している。「前線の選手が守備をしてくれるし、全員で守れている。柏は個の能力が高い。チームで抑えるのはもちろんだが、1対1の局面で全員が勝たないといけない。それができれば勝ち点を拾って帰れる」と言葉に力を込めた。

柏は2位に勝ち点10差をつけて独走する。チーム総得点はリーグ2位タイの47。FWオルンガ、FWクリスティアーノ、MF江坂の3人で31ゴール量産と66%を占める。山形は柏に敗れてから一時失速。首位ターンしたものの後半戦最初の5試合は1勝4敗とつまずいた。リーグ戦は残り12試合。昇格へ同じ相手に2度は負けられない。今度は勢いに乗る首位の歯車を狂わせる番だ。【山田愛斗】