2年連続8度目出場の帝京長岡は熊本国府に3-0で快勝した。前半19分にMF田中克幸(3年)が豪快な先制の左足ミドル。

2-0の後半28分には、右クロスを放ち、FW晴山岬(3年)のヘッドをアシストした。自分のサッカースタイルを貫くため、新潟にやってきたテクニシャンが初戦から本領を発揮した。

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快進撃の幕開けを告げる鮮やかなミドルシュートだった。0-0の前半19分だ。MF本田翔英(3年)が落としたボールを受けてMF田中は左足を振り抜いた。ペナルティーエリアの外から放ったシュートはネットに勢いよく飛び込んでいく。自身のファーストシューがチームの先制点。たった1回のチャンスにゴール決めた。「(前が)空いたら打とうと、意識していた」。そう話した田中はボールがネットを揺らすのを確認すると、両腕を上げながらDF吉田勇介(3年)に走り寄り飛びついた。

田中の豪快なミドル弾でチームは活性した。古沢徹監督(34)は「田中のシュートには脱帽。スーパーなゴール。あれでチームは落ち着いた」と話した。上位を狙うチームの初戦の固さをほぐす起爆剤になった。田中の右クロスからダイビングヘッドで得点を決めたFW晴山も「田中が、ああいう形で(先制)点を取ってくれて、リラックスできた」と言った。この日は、2点目を上げたMF谷内田哲平(3年)と2人でトップ下を担ったが、田中は少しだけ下がり気味の位置取りだった。「攻撃を組み立てる役割と、前が空いたら(ゴールを)狙う意識を持っていた」。

田中は岡山県出身。未知の土地の新潟県長岡市には志願してやってきた。中学3年の16年夏。帝京長岡が全日本U-18フットサル選手権で初優勝した際の動画を見た。物心つく前からボールを蹴って遊び、幼稚園児のころは暗くなるまでドリブル練習してきた。テクニックを生かせるサッカースタイルを自ら選び、進学した。

意志の強さは今も変わらない。2つのJクラブからオファーが届いたが、全日本大学選手権優勝の明大進学を決め、4年後のプロ入りを目指す。決めたことは貫き通す。この日も「前が空いたら打つ」という自分に課したテーマを遂行した。「いいスタートが切れた」。1ゴール1アシストの活躍で後半31分に交代した。今日3日の3回戦(対神戸広陵)へ、回復に務めた。【涌井幹雄】

○…J2のFC町田ゼルビアに来季加入が内定している帝京長岡FW晴山がダイビングヘッドでゴールを決めた。「ヘディングの練習は1日、100本練習してきた。頭での得点が少ないので…」と、トレーニングの成果に笑顔だった。8強の前回大会は通算4得点。チームの得点源だ。「初戦(の勝利で)勢いはついた」と今回もゴールを量産する覚悟だった。

○…熊本国府FW久野が0-3の完敗を認めながらも、個人的な手応えには胸を張った。「ハイプレスにいっても、相手は足元がうまくてはがされた」と悔やんだが「相手にはプロ内定者が3人いたけれど、個人的には対等にやれた」。進学後の大学でもサッカーを続けるだけに、個人的な手応えは財産になった。