J2アルビレックス新潟は4日、聖籠町のクラブハウス隣接ピッチで紅白戦(30分×2)を行った。プロ2年目のGK藤田和輝(19)が、Aチームで先発フル出場。的確なポジショニングと指示で無失点勝利に貢献した。試合はFW矢村健(22)とMF本間至恩(19)が後半得点し、Aチームが2-0で勝利した。

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紅白戦後、藤田の声はかれていた。この日の紅白戦で60分間(30分×2)フル出場。何度かゴール前まで進入される場面はあったが、冷静に対応し、ピンチを切り抜けた。「守備陣と連係し、無失点で抑えられたことが収穫」。相手FWに自由を与えないよう、CBの田上大地(26)とマウロ(30)にはシュートコース限定の指示を出し続けた。攻撃時でも常にリスク管理を行い、高いラインを取る守備陣の背後にできるスペースのケアにも注意した。

好調の要因は、毎日行う基礎練習の繰り返し。GK陣は他選手より30分早くピッチに入り練習を行っている。「今季はステップ系の練習が多い。細かいステップを踏むことで、いい立ち位置が取れ、安定したキャッチングにつながる。成長できている」と手応えをつかんでいる。

アルベルト監督(51)が目指すポゼッションサッカーにおいて、GKのビルドアップ参加は重要な役割。最後方からピッチ全体を見渡し、味方にアドバイスを送る。「GKでも常に遠いスペースを意識している。自分がエリア外でボールをもらい、パスを出す時の優先順位は近くの選手ではなく、相手ゴール近くにいる遠くの選手。攻撃の1歩になる」。ジュニア時代はフィールドプレーヤーで培った足元の技術も生かし、積極的に攻撃にも参加する。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、5月2日の再開を目指していたJ2のリーグ戦は白紙に戻った。中断期間は長くなるが藤田は「アピールするチャンスとプラスにとらえる。ロングフィードの精度を上げる期間にしたい」と前向きだ。【小林忠】