新型コロナウイルスの影響でJリーグが中断に入り、まもなく2カ月がたつ。入場料収入という大きな柱を失い、厳しい財務状況と向き合いながらも、各クラブは「今できること」を模索し、実行に移している。サガン鳥栖の「歴代ユニホームでマスク製作」、湘南ベルマーレの「オンラインスカウト活動」など、SNSの普及もあり、各クラブがオリジナリティーある施策に取り組む。試合どころか、練習もできない逆境の中、サポーターのため、地域のため、医療従事者のため、今もJクラブは必死に活動している。

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J2のFC町田ゼルビアは「おうちでゼル塾」と題して、公式サイト上で小学生向けのオリジナル教材を毎日公開している。4月いっぱいの継続は決まっているが、町田市の公立小学校の休校期間に合わせて、延長も検討していくという。

教材はすべてクラブスタッフが作成している。小学校の教科書を参考にしたり、子どものいるスタッフの意見を聞いたりと、文字通り手作りだ。国語では選手の名前の書き取り、算数ではサッカーボールやスタジアムの座席を使った計算問題。社会ではJリーグのクラブ名を使った都道府県クイズなど、クラブやサッカーに触れながら、楽しく学べる教材を配信している。

企画の担当者は「休校や友だちと遊ぶ時間の自粛で、子どもたちをはじめ多くの方が不安やストレスを抱えているはず。そういった思いを少しでも取り除きたい、自分たちにできることはないかと考えていく中で、ご家族で楽しみながら学習や遊びができないかと思った」と明かした。ちなみにゼル塾の日曜日の教材は「ゼルビアの歴史」。試合に代わる週末の楽しみも用意されている。【杉山理紗】