ブラジル1部の古豪ボタフォゴMF本田圭佑(34)が立ち上げた東京都社会人4部リーグ所属のクラブチーム、One Tokyoが公式戦初戦を白星で飾った。

東京近郊でリーグ開幕戦を酉松会(ゆうしょうかい)ア式蹴球部と戦い、7-0で大勝した。

どこを探しても本田の姿はなかったが、「百獣の王」こと、タレントの武井壮監督(47)が指揮し初采配初白星をつかんだ。

本田はブラジルからツイッターで「初勝利。One Tokyo関係者の皆さん、おめでとうございます!ブラジルから乾杯」と一部絵文字でツイートした。

コロナ禍で開幕が大幅に遅れたこともあり、話題のチームの船出は、人知れず、静かなものだった。

東京都社会人サッカー連盟も感染防止に手を打ち、無観客で行われた。

観衆ゼロでも、武井監督は青いシャツにネクタイを締め、ビシッと決めて節目に立ち会った。

本田がSNSでクラブ設立をぶち上げたのが今年1月。その後、入団テストなどで選手を集めた。

公式サイトには、本田の「いわゆる『リアルサカつく』を皆んなとやりたいと思っています」との言葉がある。クラブを育てるセガの人気ゲーム「サカつく」のリアル版だという。

実際、オンラインサロン(月額会員制のコミュニティー)があり、会費を払った会員のみがクラブの意思決定にかかわることができる。本田も会員の1人だ。

クラブのコンセプトは「全員参加型クラブ経営」「オープン型クラブ経営」「最先端クラブ経営」「スポーツマンシップ」。

会費に差はあるが、日本代表経験のあるトップ選手も、サッカー経験のまったくない人も、年齢、性別も関係なく、クラブにかかわる権利としては、平等をうたっている。

運営責任者は本田が昨年12月、ツイッターで出会い、面接し、即採用したという「大学生の奥山君」。当時慶大サッカー部でマネジャーを務めていた奥山大氏が、周囲の協力を得て、先頭に立ってここまでプロジェクトを進めてきた。

武井監督も、乙武洋匡GMも候補者の中から、投票で選ばれた。その乙武GMはツイッターで「リーグ開幕戦を7-0で勝利しました!! 今後とも応援よろしくお願いします!!」とつぶやいた。

日本の頂点であるJ1から数え、10部相当のリーグから、白星で第1歩を踏み出した。【八反誠】