セレッソ大阪MF西川潤(18)が、待望のプロ初ゴールを決めた。柏レイソル戦で後半38分からリーグ戦今季初出場。2-0の後半42分、柿谷からの浮き球を左足で合わせ、試合を決定づける3点目を奪った。けがもあり出場機会に恵まれなかったがバルセロナやリールなど海外の強豪クラブも注目する逸材レフティーが大きな1発を放った。柏に3-1快勝のチームは6戦負けなしで2位に浮上した。

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待望の瞬間はイメージ通りに訪れた。後半38分、清武の負傷退場を受けて西川が投入された。そのわずか4分後、自陣からドリブルで攻め上がる柿谷に合わせて前線へ。「(柿谷)曜一朗くんが持ったら絶対チャンスになる。あそこに(ボールが)落ちてくるイメージはできていた」。浮き球に左足を伸ばし、詰めてきたGKの頭上を越す絶妙なループシュートを決めた。

「率直にいえば、うれしい気持ちが大きいです」。J1リーグ再開の7月4日前日に左大腿(だいたい)四頭筋筋損傷で全治4週間のけが。「けがもあってなかなか出場機会もなく、悔しさがあった」と話す一方、「(悔しさが)必ずプラスになると信じていました」。チャンスを待った。

昨季は特別指定選手としてリーグ1試合、ルヴァン杯2試合に出場。今季は、けがから復帰した5日ルヴァン杯浦和レッズ戦が初出場でプロデビュー戦となり、決勝アシストも記録した。勝利に導く働きをロティーナ監督も「満足している。彼は強いメンタリティーを持っている」と評価。西川も「得点、アシストに直結するプレーは目標にしてきた。まだ精度を上げる部分は多いがこだわっていきたい」と力強く言った。

プロ入り時に獲得に動いたドイツのレバークーゼンやバルセロナ、フランスの名門リールなど海外の強豪クラブが注目する。その中で「現実を見て自分を高めていこうと思った」と日本、育成に定評のあるC大阪を選んだ。そんなエリートがもがきながら放ったプロ1号。「自信に変えていきたい。でもまだ1点なんで。これからもっと活躍できるようにしたい」。独走状態の川崎フロンターレ追撃へ、才能豊かなレフティーが頼もしく加わった。【実藤健一】

◆西川潤(にしかわ・じゅん) 2002年(平14)2月21日、神奈川県生まれ。横浜のジュニアユースから桐光学園。18年度の総体と選手権で優秀選手。世代別日本代表としても活躍し、18年のU-16アジア選手権では決勝のタジキスタン戦(1-0)で決勝ゴール。日本の同大会優勝に貢献しMVPに輝いた。昨季は特別指定選手としてプレーしリーグ戦1試合、ルヴァン杯2試合に出場。180センチ、70キロ。