アルビレックス新潟は首位のV・ファーレン長崎と対戦し2-2で引き分けた。

後半開始からピッチに立ったFW鄭大世(36)が後半19分に、新潟加入初出場でゴールを奪うと、後半ロスタイム、MF本間至恩(20)の今季3得点目でドローに持ち込んだ。新潟はこれで6勝8分け2敗で勝ち点を26とした。次節は中2日、5日にホームで磐田と対戦する。

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鄭大世が重苦しい空気を一変させた。後半19分、MF中島元彦(21)のミドルシュートのこぼれ球に反応、目の前のDFをはじき飛ばし右足でねじ込んだ。抜群の嗅覚を生かし、移籍後初ゴール。「新潟をJ1に昇格させるために新潟に来た」という熱い男は魂のこもったプレーを何度も繰り返し、好機を演出し続けた。同点弾を奪うことはできなかったが、スタジアムを大いに盛り上げた。

鄭大世は先月26日にJ1清水から期限付き移籍で合流したばかりで、現在は家族と離れ、クラブハウス敷地内の選手寮で単身赴任中。長崎戦前日会見では、「試合前に子供たちの面倒をみなくて済むので試合により集中できる」と冗談を飛ばしたが、「出れば得点を奪うことはできる」と自信たっぷりに話していた。ベテランFWは何度もゴールをおびやかした。

新潟は今夏加入のMF福田晃斗(28)が抜群の危機察知能力で中盤をカバー、左サイドバックの荻原拓也(20)が高速クロスで好機を演出するなど、攻守で存在感を放ち始めた。ベテランと若手が融合し、土台ができつつあるチームは4試合連続負けなし。次節、ホームで勝ち点3を目指す。【小林忠】

▽アルベルト監督 後半はアグレッシブないいプレーができた。選手のプレーにとても満足しています。

▽同点ゴールのMF本間 ゴールを決められて良かった。でも、前半が悪かったのでゴールだけ取れたという感じ。次戦に向けて万全の状態で取り組んでいきたい