好調鹿島アントラーズは大分トリニータに敗れ、連勝が7で止まった。

相手ボールを敵陣で奪い切り、取られてもすぐ取り返すアグレッシブなスタイルで勝ち点を積み上げていたが、連戦の疲労もあって後半にリズムを崩し2失点した。上位陣との勝ち点差は詰められなかったが、敗戦の中で課題も見つかった。

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クラブ史上5度目のリーグ8連勝には、1歩及ばなかった。

鹿島は前節から先発を6人変更して臨んだが、連動したプレスをかけて、高い位置でボールを奪うスタイルを貫いた。前半は戦術がはまったが、後半に入ると失速。前がかりになったところを狙われて失点した。連勝は7で止まった。ザーゴ監督は「前節(後半ロスタイムの得点で勝利した湘南戦)もそうだが、下位のチーム、運動量や闘争心、最後まで諦めない部分を示すチームに、てこずっている」と、ここ2試合の戦いに課題を見いだした。

大分片野坂監督が勝因を「セカンドボールや中盤の攻防、ゴール前の体を張る部分で集中を切らさずに戦ってくれた」と強調したように、プレーの強度で相手を上回ることができなかった。前半は前節まで得点ランキング2位の11得点を挙げているFWエヴェラウドを中心にプレスをかけ続けたが、ザーゴ監督はハーフタイムに、16戦連続先発中だったそのブラジル人FWをベンチに下げた。リーグ戦でのハーフタイムの選手交代は開幕戦以来2度目。けが防止やコンディションを考慮したものだったが、良い流れだった前半の戦いを継続できなかった。

スコア上では完敗したが、うまさより、激しさを武器に必死で立ち向かってくる相手への対処が急務だという課題が浮かび上がってきた。指揮官は試合後「1敗したところで、お互いの信用を失う必要はない」と選手に前向きな言葉を掛けたことを明かした。就任1年目、チームを構築途中のザーゴ監督。連勝は止まったが、無駄な敗戦にはしない。【杉山理紗】