なでしこリーグのセレッソ大阪堺レディースの主力が、海外や他の国内クラブへの移籍が相次いで決まっている。

C大阪堺は8日、なでしこジャパンにも選出経験のあるMF脇阪麗奈(21)を含めて、U-17日本代表だったMF井上陽菜(21)とMF野島咲良(21)の計3選手が、今季からノジマステラ神奈川相模原へ完全移籍すると発表した。

ノジマは昨年、C大阪堺と同じなでしこリーグ1部で8位(10チーム中)だったが、今年9月開幕予定の国内女子初のプロリーグ「WEリーグ」への加入が決まっている。

一方で4位と大健闘したC大阪堺はWEリーグに参加せずに、今季はアマチュア最高峰の位置づけとなる「なでしこリーグ」1部にとどまる。これにより、強化を目指す他クラブからプロ契約のオファーが相次ぎ、有望な選手が移籍していく流れになっている。

C大阪堺では昨年12月、なでしこジャパンで東京五輪代表候補のFW宝田沙織(21)が米女子プロサッカーリーグのワシントン・スピリットへ、同じく代表のMF林穂之香(22)がスウェーデン女子1部AIKに完全移籍することが決まったばかりだ。

C大阪堺は下部組織が充実しており、宝田らはトップチームに昇格後も即戦力としてなでしこリーグで活躍してきた。中学時代から同じスタイルのサッカーを学び、選手の質の高さには定評があった。ただ、学生を本業にするような若手中心の編成で、かつ育成型クラブを目指していることもあり、今回のプロリーグ参加には手を挙げなかった。

宝田は下部組織でコーチとして、脇坂は同クラブの事務スタッフとしてアルバイトをしながら生計を立てていた。今回、他からプロ契約のオファーが舞い込み、彼女らにとっては明らかにステップアップとなるため、C大阪堺は快く送り出したという。

脇坂は今回の移籍について「10年前、技術も能力もないサッカーを続けることも迷っていた私を拾ってくれ、プロサッカー選手になるまで育ててくれたこのクラブに感謝します」とコメントしている。【横田和幸】